生命のメッセージ展 in 三重


桑名高校ミニ・メッセージ展>

 04年9月11日、三重県立桑名高等学校(http://www.kuwana-h.ed.jp/)の有志生徒さんを主体に、ミニ・メッセージ展(一部の被害者オブジェの展示)を開催しました。ミニ・メッセージ展は過去に大学などで開催されたことはありましたが、高校での開催は初めての試みです。ご尽力いただきました関係者のみなさま、生徒様には心より御礼申し上げます。


会場の様子 会場の様子 会場の様子




「事件事故の死 悲しみ知って」
中日新聞(9月10日)より

 事件事故で亡くなった人たちの靴などを展示し、命の大切さを訴える「生命(いのち)のメッセージ展」が11日、三重県桑名市東方の桑名高校で、文化祭行事の一環として開かれる。同展は2001年から東京、名古屋など全国で開かれているが、高校文化祭に出張して開催するのは異例。

生前愛用の靴など展示
桑名高生徒が企画 あす文化祭

 文化祭では「一気飲み」をさせられて亡くなった大学生や、飲酒運転のトラックに追突されて死亡した姉妹、いじめで自殺した高校生など8人の等身大パネルや生前の言葉、8人が生きていた証となる愛用の靴を展示する。  同校の保健委員8人が、文化祭で飲酒と健康の問題を取り上げようと決定。これを受けて養護教諭の大崎志保さんが、メッセージ展を生徒に紹介した。  6月には、7年前に当時高校生だった息子を交通事故で亡くした同展三重県担当の鷲見三重子さんが保健委員の生徒に「小学生の犯罪も多い。幼い子や若者に命の尊さを伝えないといけない」という思いを託して講演。委員らは「一気飲み」や飲酒運転など酒の害だけではなく、事件事故の理不尽さや遺族の悲しみを訴えることにした。  委員の一人は「今まで考えたこともなかったが、自分だって事件事故で死ぬかもしれない。遺族の思いを伝えたい」。委員らはメッセージ展に合わせ、全校生徒に呼びかけて折り鶴を折ってもらった。約千羽の折り鶴で「命の源の海」のはり絵を作り、会場に掲げる。  展示は11日午前9時15分から午後0時30分まで。同校正門で受付をすれば無料で入場できる。来年3月に津市で開かれる「生命のメッセージ展in三重」に向けた募金やボランティア募集も行う。



「中日春秋」2004.09.14

 <小さな靴が玄関においてある/満二歳になる英子の靴だ/忘れて行ったまま二カ月ほどが過ぎていて/英子の足にはもう合わない>▼詩人、高田敏子さんの「小さな靴」である。<子供はそうして次々に新しい靴にはきかえてゆく>。そううたう詩は、こんな情景を描いて、結ぶ。<おとなの疲れた靴ばかりならぶ玄関に/小さな靴は おいてある/花を飾るより ずっと明るい>▼人の歩みとともにある靴は、その人の生や命をどこか映し出すものかもしれない。詩のように小さな靴は、履く子供の姿をとりわけ豊かに想像させようか。十一日、三重県桑名市の桑名高校の文化祭行事の一環として、事件事故の犠牲者八人の靴が生前の言葉などと一緒に展示された▼命の尊さを訴える「生命(いのち)のメッセージ展」で三年前から全国で開かれてきた。飲酒運転トラックに追突されて死亡した幼い姉妹の長靴、若者のスニーカー…。六百人以上の高校生、市民が見入ったという。それぞれの靴がその人を思い描かせ、生の重みを感じさせたに違いない。そしてそれはこの靴も▼愛知県豊明市の母子四人殺害事件で亡くなった加藤佑基君(15)。中学陸上部の主将で、十二日の名古屋市瑞穂陸上競技場での陸上大会に円盤投げで出場するはずだった。愛用のシューズは観客席に置かれ、それに見守られるように仲間は十人も入賞を果たした。やりきれない事件の中で、胸が熱くなる話だ▼冒頭の小さな靴と違い、あまりにつらいシューズ。でも、きっと、佑基君の面影と、命の尊さを伝え続けるだろう。



「桑名高校ミニ・メッセージ展開催にあたって」
生命のメッセージ展 in 三重
開催担当  鷲見 三重子

 初めて桑名高校にお邪魔したのは、6月15日でしたね。保健委員8名と先生方にお話をさせていただきました。

クラブをし、なおかつメッセージ展に向けて、「一番大切なもの」その答えを、作品にしてくださいました。

詩 − 「風」 9月11日(文化祭)までの間、貴方達は勉強し、 全員で作った千羽の鶴のはり絵、天使のかわいい募金箱、立派な赤いポスト、書道の先生が書いたかと思うほど、素晴らしい字で「風」の詩・・・。持って帰り毎日読みたいと思いました。堂々としたメッセージ展の看板。そして早希さんの「生命のメッセージ展」に参加しての文書には、涙がこぼれました。私たち遺族の心の痛みを、重く受け止め素直な気持ちで、8人の感性があったかくどの作品にも表れていましたね。暑いさなか、取材にも快く応じてくれました。

 そのお蔭で、600人以上と言う来場者に繋がったのですね。当日の必死の呼び込みの声、8人の真剣さがひしひしと伝わってきましたよ。会場となった教室がすし詰め状態となったにもかかわらず、膝を曲げ床に座り込んで、メッセージを読む姿に、女子生徒がハンカチで涙を拭く姿に、胸が詰まりました。

詩 − 「風」 貴方達8人のエネルギーをわけていただき、来年の3月は、私の持っている力をすべて吐き出し必ず成功させるから、引き続き協力してくださいね。

 ご縁があって貴方達8人と大崎先生に出逢えたことは、私にとってとても大きな力と感動を受け取ることになりました。

 貴方達が社会人となり、結婚し、子育てをするころには、少しでも社会がよくなってるように、踏ん張っていきますので、貴方たちも生命(いのち)を生きていってください。
 素晴らしい大崎先生と、保健委員8人に感謝!!

生命のメッセージ展に参加して



「桑名高校・大崎志保先生の手記」

 生徒が帰った後、一人でオブジェと会話する・・・。

【香澄ちゃんへ】

 昨日、生徒と一緒にあなたのお母さんの活躍されている姿を伝えるビデオを見ました。生徒たちも今日は「香澄ちゃん」と親近感をもって呼びかけながら準備していました。そして、ある生徒が私に、「香澄ちゃんの靴、新しいね」と・・・・こみ上げる涙を抑えながら、「短い高校生活だったもんね。お母さんは心を込めて磨き上げたのかもしれないね」と答えるのが精一杯でした。ビデオの中で、お母さんがオブジェをカッターナイフで切り、形をくり抜いたあと、「香澄を抱きしめる夢を見ます。香澄じゃないけど、香澄がいるような・・・」と言って、涙を流しながら、肩をなでているところがとても印象的でした。私も「香澄ちゃん、一人で苦しんだね」と肩や頭をなでました。
 「やさしい心が一番だよ」やさしいあなたの笑顔とともに、私の心の中に・・・。そして、「優しすぎてなぜいけないの」教育者としての宿題です。
 今でも「窓の外には〜♪」のやさしいメロディが私の中に流れています。

【零くんへ】

 あなたのお母さんが、はじめの一歩を踏み出して下さったので、こんなに多くの人がつながっていくことができ、そして救われ、生き方まで変えて下さいました。心から感謝!きゃしゃな体からでているであろう右手と私の右手で握手。

【宏司さんへ】

 8人の中で、一番大柄なその体から、優しい、子煩悩なオーラがあふれでていました。今でも子供たちをあたたかく見守っていることでしょう。今朝の朝刊に中日新聞さんが桑名高校の取り組みの様子を大きく取り上げて下さいました。その反響で一番うれしかったことは、記事を見た地元の自動車学校の先生から、見学依頼があったことです。ドライバーの卵の方たちに、ハンドルを握ることの意味をしっかり心に刻みつけておいてもらいたいと願っています。「明日は、その方にしっかりと語りかけてくださいね、お願いしますよ」と。そのがっちりした肩をつかむ。

【拓也くんへ】

 告別式には、600人もの人が見送ってくれたなんて、ほんとうに多くの人に幸せの種をまいたんだね。今、お父さんとお母さんがあなたの蒔いた幸せの種をもっともっと蒔いてくれています。私の心にも、そして8人保健委員の心にもしっかりと根が張りました。明日はもっと多くの人に種を蒔けるようしっかりと育てていきたいと思っています。あなたのお母さんの言葉「痛みのわかる人間になってください」心にしみました。「拓也君の友だちも通っていたであろう桑名高校はいかがですか?二日間、学校の雰囲気を感じてね」頭をなで、足をさすり、耳元でささやいた・・・。

【直之くんへ】

 苦しかっただろうね・・・と思わず、口・のど・胃・お腹・足・そして頭をさすってみる。希望でキラキラ輝いて入学したあなたが、まさかこんな形で命を落とすなんて、夢にも思っていなかったでしょうね。大学や社会に巣立つ前の高校生に、イッキ飲みやアルコール・ハラスメント(アルコールにまつわる人権侵害)防止について、しつこく語り続けて行くことが、今の私の出来ることだと思う。約束するからね、直之くん!!!

【井上さん姉妹へ】

 報道であなたのご両親の活動を少し知っていました。やっと会えたね。そんな思い。
 周子ちゃんの小さな長靴をみながら、ぶかぶか履くのが好きだったのかなあ・それとも水たまりが好きだったのかな?思わず微笑みながら想像する・・・。
 お姉ちゃんの奏子ちゃん、くったくのない笑顔に、心が痛む。ピンクのキティーちゃんの甚平におそろいのウチワ。熱かっただろうねとウチワであおぐ。そして周子ちゃんもあおいであげようとウチワを手にとると、細い柄と丸い面の接続部分がヨレヨレで、テープでつぎはぎになっている。きっと全国の人たちも、私と同じようにウチワであおいであげたんだろうなと思わず涙があふれる・・・。そして、ぎゅっと周子ちゃん、奏子ちゃんを抱きしめ、優しく頭をなでる。

【悠佑くんへ】

 生徒が「この子、男前」と言っていた悠佑くんの笑顔を、じっと見つめる。「なぜ、この子が・・・」熱いものがこみあげる。なぜ?なぜ・・・?
 その場から、8命のオブジェを見回す。何の理由もないよね。でも、どうして?なぜ・・・?やりきれない・・・。
 私も悠佑くんにシャンプーをしてあげました。ゴシゴシゴシ・・・最後ににおいをかいでみた。桃のいい香りだったよ!

被害者オブジェ



「生命のメッセージ展」公式サイト
http://www.inochi-message.com/
生命のメッセージ展

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